LINEを活用した地域防災DX事業「デジ町」を全国で展開するアニバーサリーコンシェル株式会社。平時と有事をまたぐサービスの特性上、提案先が複数部署にまたがり、「どの部署へ、どの切り口で提案すべきか」の見極めが課題でした。Gpathで優先順位をつけ、議会録を事前に確認しつつアプローチしたところ、東京都23区へのアポ獲得率は約9割に。初回商談では課題ヒアリングを省略して解決策の提示から入れるようになり、東京都への注力開始から2ヶ月で、約4自治体と実証実験や情報提供を通じた関係構築まで進んでいます。
平時も有事もLINEで支える「デジ町」。提案先が複数部署にまたがる難しさ
――御社の事業内容について教えてください。
上久保氏:当社は、LINEを活用した地域防災DX事業「デジ町」を全国で展開しています。核となるのは、自治会・町内会のデジタル化支援です。
災害時には、自分の身を自分で守る「自助」、行政や消防による「公助」に加え、地域で助け合う「共助」が欠かせません。自治会・町内会は、その共助を担う最も身近なコミュニティです。使い慣れたLINEで日頃から地域のつながりを築き、それを災害時の安否確認や避難支援にそのまま生かすことで、地域全体の防災力を高めています。
平時には、紙の回覧板のデジタル化や、町内会費をクレジットカードなどで支払えるキャッシュレス集金にも対応。集金する役員と訪問を待つ住民、双方の負担を減らし、日常の運営を効率化します。こうして平時から使っている仕組みを、有事にもそのまま生かす「フェーズフリー」の考え方を取り入れていることが、「デジ町」の大きな特徴です。
――Gpath導入前の自治体営業では、どのような課題がありましたか。
福島氏:当社のサービスは平時と有事を一体で提供するため、地域協働やコミュニティ担当部署、防災・危機管理部門、DX推進部門、場合によっては福祉部門まで、提案先が複数にまたがります。自治体ごとにどの部署へ、どの切り口で提案すればよいかを整理するのが難しく、営業前に各部署の課題を把握できる仕組みが必要でした。
自治体AIの活用で、面談前の準備効率と精度が向上
――Gpathを知ったきっかけと、導入の決め手を教えてください。
福島氏:自治体向けに事業を展開していた知人から、「自治体営業の効率化に向いているのでは」と紹介されたのがきっかけです。初めて話を聞いたのは2025年12月頃でした。自治体という数の決まった市場の中でターゲットリストを作りやすくなり、営業や集客を標準化できるのではないかと感じたのが決め手でした。
――導入後、実際にどのようにGpathを活用していったのでしょうか。
福島氏:最初は、問い合わせをいただいた自治体の情報を確認するくらいで、正直なところ、Gpathの機能を十分には使いこなせていませんでした。転機は、Gpathの担当者から「商談の前後に、自治体AI(AIエージェントが、自社の実績・強みに合った自治体をスコアリングし、詳細レポートとして提案するGpathの機能)を確認してみてはどうか」とご提案いただいたことです。そこから積極的に使うようになりました。
自治体AIを使うと、自治体それぞれが抱える課題や、解決に向けた検討状況の遷移を簡単に追えるので、面談前の準備効率と精度の両方が上がったと感じています。
議会録で自治体の課題を先取り。初回商談が「ヒアリングの場」から「提案の場」に変化
――その後、重点エリアを明確にされてさらにGpathの利用シーンが増えたと伺いました。
福島氏:東京支店の開設や横浜市との連携協定を機に関東からの問い合わせが増え、東京都を重点エリアとする方針が明確になりました。そこで、自治体からの問い合わせ経由で決まった商談だけでなく、東京都23区へ能動的にアプローチするための情報収集にもGpathを活用するようになりました。
議会録から、どの部署の誰が、どのような課題を語っているのかまで確認しています。実際、問い合わせ窓口とは別の部署で、同じ課題が取り上げられていることも少なくありません。複数の部署の動きを事前に捉えておくことで、窓口担当者の話だけでなく自治体全体がその課題をどう認識しているかを踏まえ、仮説を持ってアポイント獲得活動や商談に臨めるようになりました。
――具体的に、商談の進み方はどう変わりましたか。
福島氏:以前は初回の面談で、課題をヒアリングするところから始めていました。今はGpathで事前に課題を把握できているので、初回から解決策の提示に踏み込めます。ヒアリングという一工程を省略できるようになったのは、商談のスピードと深さの両方に効いていると感じます。
――議会録の情報が、提案に生きた印象的な事例はありますか。
上久保氏:東京都のある自治体へ提案した際、窓口のご担当者は、別の部署の課長が議会でどのような発言をしていたかまでは把握されていませんでした。そこでGpathの情報をもとに、課長のお名前と発言内容、課題として挙げていた点を具体的にお伝えしたところ、「そうした議論があるなら、取り入れる必要があるかもしれない」と納得していただけました。担当者個人への売り込みではなく、庁内で議論されている課題に沿って解決策を示せるため、提案の説得力が大きく高まったと感じています。
Gpathの優先順位に沿ってアプローチしたところ、アポ獲得率は約9割。ただし本質は"商談の中身"にある
――Gpathの導入後、数字として見える成果はありましたか。
福島氏:東京都23区を対象に、自治体AIのスコアなどを参考に優先順位をつけ、上位から電話をかけました。アプローチした自治体の約9割が、訪問またはオンラインでの商談につながっています。ただ、この数字自体は防災というテーマの関心の高さに支えられている部分も大きいと思っています。
私たちが手応えを感じているのは、接続した後の商談の中身です。東京都への注力をはじめてから2ヶ月程度で、約4自治体と前向きな会話ができており、実証実験や情報提供を通じた関係構築の段階まで進んでいます。
――非常に高いアポ獲得率を実現されています。架電される際の工夫ポイントを教えてください。
福島氏:最初に会社概要と実績を簡潔に説明し、「営業ではなく、まずは情報提供です」とお伝えしています。そのうえで、議会録を拝見し、当社の仕組みが課題解決に役立つのではないかと考えてご連絡したことを率直に話し、関係する部署へつないでいただきます。漠然とサービスを売り込むのではなく、「この課題について、役立つ情報をお届けしたい」と具体的に伝えられるため、相手の警戒感がやわらぎ、適切な部署へスムーズにつないでいただけるのだと思います。
業界を理解したサポート体制。検索条件のチューニングから活用の相談まで
――Gpathのサポート体制はいかがでしょうか。
福島氏:定期的な面談を通じて、当社の営業スタイルに合わせた検索条件のチューニングや、議会録をどう営業に生かせるかの相談に乗っていただきました。当社の業界やサービスへの理解も深く、相談した内容をすぐに反映してもらえるので、気持ちよくやり取りができています。
――今後、Gpathをどのように活用していきたいですか。また、どのような企業や団体にGpathをお勧めしたいと思いますか。
福島氏:災害が日常化する中、平時の仕組みを有事にも生かすフェーズフリーの考え方は、これまで以上に重要になります。議会録だけでなく、予算の情報なども活用しながら自治体ごとの課題を正確に捉え、「デジ町」を全国へ一気に広げていきたいですね。
上久保氏:すでに自治体向けのサービスはあるものの、「どの自治体の、どの部署へアプローチすればよいか」が分からず、案件獲得に悩んでいる企業や団体にお勧めしたいですね。Gpathは、議会録や自治体AIを活用して有望な提案先を絞り込めるだけでなく、自治体営業の仕組みや進め方についても具体的なアドバイスをいただけます。これから公共分野へ参入する企業にとっても、心強い伴走者になるのではないでしょうか。











